
インプレスグループでIT関連メディア事業を展開する株式会社インプレス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:高橋隆志)は、ソフトウェア設計・開発に携わる方々に向けて、システムの保守性・拡張性・進化性を向上させる新たな手法を提供する書籍『ソフトウェア設計の結合バランス 持続可能な成長を支えるモジュール化の原則』を2025年10月17日(金)に発売いたします。
「結合(Coupling)」は、システム設計における基本概念の1つですが、「密結合は避け、疎結合を指向すべき」といったスローガンにとどまることが多く、その重要性が解明されず理解されていないという状況がありました。そこで本書では、この「結合」という概念を、現代のエンジニアリングに適応できる形で再構築し、システムの複雑性を管理してモジュール性を高めるための新たな指針として提供します。「疎結合至上主義」を避けるべく、「結合の均衡化(Balancing Coupling)」という、より科学的かつ実践的な解法を示す一冊となっています。
システムの持続可能な成長に不可欠な要素として「結合」を再定義します。「結合」は、モジュール間の相互作用や依存関係の強さを表す基本概念であり、その適切な管理がソフトウェアシステムの保守性、拡張性、進化性を向上させる鍵となります。
さらに、構造化設計やオブジェクト指向設計に用いられてきた「結合」に関するモデルや評価手法を包括的に解説。複雑性を管理してモジュール性を高める設計ツールとして、「結合」を使用する新たなアプローチを提案します。これにより、柔軟性の高い進化するシステム構造を作り出すための具体的な原則が得られます。
「第I部 結合」では、結合や複雑性、モジュール性のそれぞれの概念を解説し、それらがどのように関連しているのかを示します。「第II部 次元」では、強度、空間(距離)、時間(変動性)という、結合が現れる3つの次元について探り、結合がシステムに与える影響を評価するためのモデルを示します。
「第III部 バランス」では、結合の全体的な効果を評価する均衡結合モデルを紹介し、モデルのケーススタディについて分析します。
書籍の発売を記念して、下記の2つの書籍(本書と同一訳者による既刊書籍)について、それぞれの1章の内容を2週間限定で無料公開いたします。それらの内容は、弊社開発の「インプレスWebブックビューアー」を使って、登録不要かつWebブラウザで紙面を閲覧できるので、場所や時間を選ばずにPCやスマートフォンなどから利用できます。使用するビューアーはSNSで書籍の情報を共有したり、書籍の購入や詳細を確認したりできる機能も備えています。
・『ソフトウェア設計の結合バランス 持続可能な成長を支えるモジュール化の原則』
無料公開へのリンクを掲載したページ:https://book.impress.co.jp/books/1124101149
・『ソフトウェアアーキテクトのための意思決定術 リーダーシップ/技術/プロダクトマネジメントの活用』
無料公開へのリンクを掲載したページ:https://book.impress.co.jp/books/1123101159
【公開期間:2025年10月17日(金)から10月30日(木)まで】
◆第I部 結合
第1章 結合とシステム設計
第2章 結合と複雑性:クネビン
第3章 結合と複雑性:相互作用
第4章 結合とモジュール性
◆第II部 次元
第5章 構造化設計におけるモジュール結合
第6章 コナーセンス
第7章 統合強度
第8章 距離
第9章 変動性
◆第III部 バランス
第10章 結合の均衡化
第11章 結合の再均衡化
第12章 ソフトウェア設計のフラクタル幾何学的性質
第13章 均衡結合の実践
第14章 結論
第15章 エピローグ
書名:『ソフトウェア設計の結合バランス 持続可能な成長を支えるモジュール化の原則』(impress top gearシリーズ)
著者:Vlad Khononov
訳者:島田 浩二
発売日:2025年10月17日(金)
ページ数:312ページ
サイズ:B5変型判
定価:3,300円(本体3,000円+税10%)
電子版価格:3,300円(本体3,000円+税10%)※インプレス直販価格
ISBN:978-4-295-02296-1
◇Amazonの書籍情報ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4295022969/
◇インプレスの書籍情報ページ:https://book.impress.co.jp/books/1124101149
Vlad Khononov(ヴラッド ホノノフ)
20年以上にわたる業界経験を持ち、大小さまざまな企業で、ウェブマスターからチーフアーキテクトまでのさまざまな職務を経験。現在はコンサルタントやトレーナーとして、企業がビジネスドメインを理解し、レガシーシステムを整理して、複雑なアーキテクチャ上の課題に取り組むことを支援している。著書に『ドメイン駆動設計をはじめよう』(オライリー・ジャパン)がある。また、世界中の主要なソフトウェアエンジニアリングとアーキテクチャのカンファレンスで講演を行う。
島田 浩二(しまだ こうじ)
1978年、神奈川県生まれ。電気通信大学電気通信学部卒業。2009年に株式会社えにしテックを設立。2011年からは一般社団法人日本Rubyの会の理事も務める。主な訳書は『エンジニアリング統括責任者の手引き』『スタッフエンジニアの道』『ソフトウェアアーキテクチャの基礎』『ソフトウェアアーキテクチャ・ハードパーツ』『モノリスからマイクロサービスへ』『Design It!』『ユニコーン企業のひみつ』(オライリー・ジャパン)、『ソフトウェアアーキテクトのための意思決定術』(インプレス)など。
impress top gearシリーズは、21世紀のIT時代に求められる新たなトレンドを取り上げることに加えて、これまでの技術・知識を時代に合わせた形で提供する技術解説書です。読者がITのフィールドで「トップギア」へとシフトチェンジできるような技術・知識を書籍として提供していきます。