インプレスグループでIT関連メディア事業を展開する株式会社インプレス(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:高橋隆志)は、生成AIなど新たなテクノロジーの登場によって変化するユーザー企業の課題を捉え、その課題解決を支援するパートナーであり続けるために情報サービス企業は何をするべきかを提示する『新たなテクノロジーの活用による未来社会の実現 情報サービス産業白書2025』を2025年7月1日(火)に発売いたします。
1986年に刊行が始まった「情報サービス産業白書」は、企業情報システムの開発を請け負う情報サービス企業に、最新のテーマに基づいた提言を行ってきました。その最新版である『新たなテクノロジーの活用による未来社会の実現 情報サービス産業白書2025』では、生成AIをはじめとする新しいテクノロジーに取り組むことによって生まれた課題を明らかにし、その課題を解決するために情報サービス企業ができること、やるべきことは何かを提示します。
現在多くの企業が、先の見えないデジタル時代を生き抜くために、生成AIをはじめとする新しいテクノロジーの導入に取り組んでいます。本書の第1部では、新しいテクノロジーの導入によってどのような課題が生まれているのか、IT技術をユーザー企業に提供してきた情報サービス企業は、新しいテクノロジー導入のパートナーとしてどのような役割を期待されているのか、「情報サービス企業」および「ユーザー企業」へのアンケート調査やヒアリング調査を通じて、両者の関係性を明らかにします。
図表1は、生成AIを活用しているまたは活用を検討しているユーザー企業に対し、課題として捉えているものとそのうち外部事業者と連携することによって解決を期待するものを質問したものです。生成AIの活用において生じうる課題は、組織体制、人材、投資、知見・ノウハウ、導入プロセスの5つの観点から25項目を設定しました。ユーザー企業が課題として捉えているものは、「導入を担当する社内体制が不足している」「運用・管理を担当する社内体制が不足している」「社内部署間の連携体制が不足している」の順に高く、社内の組織体制に関して課題を抱えている企業が多いことがわかりました。
課題ごとの、外部事業者と連携することによって解決を期待する企業の比率をみると、導入や運用・管理体制の不足に加えて、「社員のスキル向上・研修の機会が十分ではない」「中途採用の難易度が高く、人材確保が難しい」「新しいテクノロジーの知見・ノウハウを取り入れる仕組みがない」といった課題は、外部事業者との連携による解決を期待する企業の比率が半数を超えていました。一方、「社内部署間や社外との連携体制が不足している」「新規採用の難易度が高く、人材確保が難しい」「知見・ノウハウの社内共有がうまく行われていない」といった課題を抱えている企業数が外部事業者に対して解決を期待する比率は50%未満となりました。
図表1:ユーザー企業の生成AI活用における課題と外部事業者との連携による解決を期待する課題(出展:新たなテクノロジーの活用による未来社会の実現 情報サービス産業白書2025)
図表1の「課題として捉えている割合」と「外部事業者との連携による解決を期待する比率」の結果から、生成AIの活用におけるユーザー企業の課題を4つのセグメントに分類したのが図表2です。「課題として捉えている割合」は全ての課題の平均値(21.2%)を閾値(しきいきち)とし、「外部事業者との連携による解決を期待する比率」は半数以上の企業が期待しているかという観点から50%を閾値として設定しました。
右上の領域では、多くの企業が課題と認識し、外部事業者の支援を強く求めており、課題解決のニーズが大きく、情報サービス企業にとってチャンスが大きい領域であると言えます。左上の領域では、課題として認識する企業は少ないものの、認識している企業の多くは外部支援を求めています。右下の領域では、多くの企業が課題として認識していますが、企業内での解決を優先する傾向があり、外部連携に対するハードルが高い可能性がある領域と言えます。左下の領域では、企業の課題認識も低く、外部事業者への期待も少なくなっているため、現時点では情報サービス企業にとって短期的なチャンスは小さく、取り組むべき課題としての魅力は低い領域であると言えます。
図表2:課題の分類概要図(出展:新たなテクノロジーの活用による未来社会の実現 情報サービス産業白書2025)
第2部では、「進化を続ける生成AI」「データエコシステムとデータプラットフォーム」「DX時代のセキュリティ」「生成AI時代に向けたITエンジニアの次世代シフト」「DXの現状と展望」という、業界人が知っておくべき5つのテーマを、情報サービス産業協会(JISA)会員企業に所属する有識者が解説しています。生成AIをはじめとした新しいテクノロジーの、リアルな現在地を知ることができます。
図3:データ提供者とデータ利用者が円環を成し、改善サイクルを回すことでデータの利活用を促進する「データ善循環」のプロセス(出展:新たなテクノロジーの活用による未来社会の実現 情報サービス産業白書2025)
第1部 新たなテクノロジーの活用による未来社会の実現
第1章 テーマの背景と問題意識
第2章 ユーザー企業と情報サービス産業の動向
第3章 生成AIの活用において情報サービス企業が果たすべき重要な役割
第4章 情報サービス産業の近未来像
第2部 情報サービス産業の概況
第1章 JISA調査・統計等で概観する情報サービス産業のトレンド
第2章 情報サービス産業を取り巻く環境の動向
データ編
書名:新たなテクノロジーの活用による未来社会の実現
情報サービス産業白書2025
編集:一般社団法人 情報サービス産業協会
発売日:2025年7月1日(火)
ページ数:268ページ
サイズ:B5判
定価:3,520円(本体3,200円+税10%)
電子版価格:3,520円(本体3,200円+税10%)※インプレス直販価格
ISBN:978-4-295-02171-1
◇Amazonの書籍情報ページ:https://www.amazon.co.jp/-/en/情報サービス産業協会/dp/4295021717
◇インプレスの書籍情報ページ:https://book.impress.co.jp/books/1125101011
一般社団法人 情報サービス産業協会(いっぱんしゃだんほうじん・じょうほうさーびすさんぎょうきょうかい)
国内の主要な情報サービス会社で構成されるIT業界団体として、1984年に2つの団体を統合し、経済産業省認可の業界団体として設立された。情報関連技術の開発促進、情報化の基盤整備などを通じ、情報サービス産業の健全な発展と我が国の情報化の促進を目的としている。